ファクタリング審査に落ちる原因は?チェックポイントと通過のコツを徹底解説

ファクタリングを活用する際には、必ず審査プロセスを経る必要があります。

銀行融資と比較すると審査基準は緩やかな場合もありますが、一定の条件をクリアできないと審査に通過できません。

では、どのような状況で審査に落ちてしまうのでしょうか。

また、審査に通るためには何をすべきなのでしょうか。

本記事では、ファクタリングの審査内容やチェックポイント、審査に落ちる理由、そして審査を通過するためのポイントまで詳しくご紹介します。

さらに、“審査なし”と謳うファクタリングのリスクについても解説していますので、ぜひ最後までお読みください。

ファクタリングの審査内容とは?その実態を解説

ファクタリングとは、自社が保有する売掛債権をファクタリング業者に売却し、入金期日前に資金化するサービスです。

利用する際にはファクタリング会社の審査を通過する必要があり、一定の基準を満たさない場合は審査に落ちてしまいます。

そのため、事前に審査の対象や主要なチェックポイントを理解しておくことが重要です。

ファクタリングの審査対象は主に取引先企業

ファクタリングの審査では、主に「取引先企業」が対象となります。

ファクタリング会社が最も避けたいのは「買い取った売掛債権が回収不能になること」です。そのリスクを評価するために、取引先企業の信用力を重点的に審査します。

つまり、利用者である自社の経営状況や資金繰りは、審査においてそれほど重視されないということです。

そのため、たとえ赤字決算や資金繰りの悪化、税金の滞納があっても、取引先企業の信用力が高ければファクタリングを利用できる可能性があります。

ファクタリング審査の主要なチェックポイント

ファクタリング会社が審査時に確認する主なポイントは、以下の5つです。

取引先企業の信用力

ファクタリング会社が売掛債権を確実に回収できるかどうかは、取引先企業の支払い能力にかかっています。

そのため、「取引先企業の信用力」は審査で最も重視されます。

例えば、知名度の高い大企業や上場企業、公共機関が取引先であれば、「支払い能力が高い=信用力が高い」と判断され、審査に通りやすくなります。

逆に、経営不振の企業が取引先である場合は、支払い遅延や倒産のリスクから審査に落ちる可能性が高まります。

売掛債権の内容

審査では、「売掛債権の金額や支払期日」も重要なチェックポイントです。

金額については、不正や偽造がないか念入りに確認されます。

企業の規模に対して売掛金額が大きすぎる場合、審査で不利になることがあります。

支払期日が短いほど審査に通りやすく、長いほどリスクが高まるため、審査に落ちやすくなります。

支払期日が遠いと、その間に取引先企業の経営状況が悪化する可能性が高まるからです。

場合によっては、支払期日が長い売掛債権の買取を行わないファクタリング会社もあります。

取引先との取引実績

「自社と取引先企業との取引履歴」も審査で確認されます。

取引期間が長ければ長いほど、安定した取引関係があると判断され、審査に有利になります。

一方、取引実績がない、または期間が短い場合は、架空取引の疑いから審査に落ちることがあります。

売掛債権の信頼性

一部の企業は、架空の請求書を発行したり、価値を失った不良債権を売却したり、同じ債権を複数に譲渡する二重譲渡を行ったりと、不正行為を試みることがあります。

ファクタリング会社にとって、問題のある売掛債権を買い取ることは大きなリスクとなるため、「売掛債権の信頼性」も厳重にチェックされます。

利用者の信頼性

ファクタリングの審査対象は主に取引先企業ですが、利用者が全く確認されないわけではありません。

利用者の信頼性が極端に低い場合、審査に落ちることもあります。

ここでの信頼性とは、経営状況や資金力というよりも、ファクタリング会社を欺く意図がないか、契約違反をしないかといった点が重要視されます。

ファクタリング審査で重視されないポイント

ファクタリングの審査では、以下の2点はあまり考慮されません。

利用者の債務状況

銀行融資では、消費者金融からの借入があると審査で不利になることが一般的です。

しかし、ファクタリングの審査では、利用者の債務状況は重視されません。

たとえ他社からの借入やビジネスローンの残高があっても、問題視されることは少ないです。

利用者の経営状況・財務内容・資金繰り

ファクタリング会社が重視するのは、取引先企業の経営状況や信用力です。

そのため、利用者自身の経営状況や財務内容、資金繰りは審査に大きく影響しません。

ただし、一部のファクタリング会社では「償還請求権あり」の契約を結ぶ場合があります。

この場合、取引先からの回収が困難になった際、利用者が返済義務を負うため、利用者の経営状況が審査に影響することもあります。

オンライン審査なら審査時間が短縮

従来、ファクタリングの審査は対面で行われるのが一般的でしたが、最近では「オンライン完結型」のファクタリングも登場しています。

オンライン審査では、申し込み後すぐに審査が開始できるため、最短即日で審査結果が出る場合もあります。

これにより、迅速な資金調達が可能になります。

また、オンライン完結型であれば、全国どこからでも都合の良いタイミングで申し込みができ、交通費や郵送費も節約できます。

AI審査の導入も進行中

さらに、最近では「AI審査」を導入するファクタリング会社も増えています。

AI審査は人間が行うよりも短時間で審査が完了する傾向があり、資金調達までの時間を大幅に短縮できます。

ただし、機械的な判断となるため、基準に少しでも満たない場合は審査に落ちる可能性があり、柔軟性に欠ける場合もあります。

ファクタリング利用時に審査に落ちる主な理由

ファクタリングの審査に落ちる原因は多岐にわたります。

以下に代表的な8つの理由を挙げます。

1.不良債権の譲渡は不可

売却しようとする売掛債権が不良債権、またはその疑いがある場合、審査に通過できません。

価値を失った債権は、弁護士や債権回収会社のみが取り扱えるため、ファクタリングの対象外となります。

そのため、不良債権を譲渡しようとすると、審査に落ちてしまいます。

2.支払期日が遠すぎる

売掛債権の支払期日が遠いと、回収リスクが高まります。

その間に取引先企業の経営状況が悪化する可能性があるため、審査に落ちることがあります。

一般的には、支払期日が2ヶ月以内の売掛債権が望ましいとされています。

3.債権譲渡禁止特約の存在

債権譲渡禁止特約が付いている売掛債権は、法的には譲渡可能ですが、トラブルを避けるために買取を拒否するファクタリング会社もあります。

そのため、この特約が付いていると審査に落ちる可能性があります。

4.二重譲渡の疑い

同じ売掛債権を複数のファクタリング会社に売却しようとすると、二重譲渡の疑いから審査に落ちます。

これは明らかな違法行為であり、詐欺罪に問われる可能性もあります。

5.回収不能のリスクが高い

取引先企業の経営が悪化している場合、売掛債権の回収が困難と判断され、審査に落ちることがあります。

ファクタリング会社は確実な回収を重視するため、このようなリスクは避けたいと考えます。

6.取引先企業の実態不明

取引先企業の実在性や経営実態が確認できない場合、架空の企業と疑われ、審査に通過できません。

7.個人事業主は審査が厳しい

取引先が個人事業主の場合、法人に比べて事業規模が小さく、支払い能力の信頼性が低いため、審査に落ちやすい傾向があります。

8.利用者の信頼性が低い

利用者自身の信頼性が極端に低い場合、審査に落ちることがあります。

反社会的勢力との関係や虚偽の申告が疑われる場合は、ファクタリングを利用できません。

ファクタリングで審査に通るための8つのポイント

ファクタリングで審査落ちを避けるためには、以下の8つのポイントを押さえておきましょう。

1.信用力の高い取引先の売掛債権を選ぶ

審査に通過しやすくするためには、経営が安定している取引先企業の売掛債権を選びましょう。

信用力の高い取引先であれば、ファクタリング会社も安心して買取ができます。

2.公的機関の売掛債権を優先する

国や地方自治体、公共団体などの売掛債権は信用度が非常に高いため、審査に通りやすくなります。

これらの売掛債権を持っている場合は、最優先でファクタリングに出すとよいでしょう。

3.独立系ファクタリング会社を利用する

ファクタリング会社には「銀行系」「ノンバンク系」「独立系」があります。

この中で「独立系」は審査基準が比較的緩やかな傾向があるため、審査通過率が高いです。

4.複数のファクタリング会社に見積もりを依頼

複数のファクタリング会社に見積もりを依頼することで、審査通過の可能性を高めることができます。

ただし、同じ売掛債権を複数に売却する二重譲渡は違法行為なので注意が必要です。

5.審査通過率の高い会社を選ぶ

審査通過率が高いファクタリング会社を選ぶことで、審査に通りやすくなります。

口コミや評判を参考に、信頼できる会社を選びましょう。

6.支払期日が近い売掛債権を提供

支払期日が近い売掛債権は、回収リスクが低いため審査に通りやすくなります。

可能であれば、支払期日が近いものを優先的にファクタリングに出しましょう。

7.三者間ファクタリングを検討する

「二者間ファクタリング」よりも「三者間ファクタリング」の方が審査に通りやすい傾向があります。

取引先企業も契約に関与するため、透明性が高く、ファクタリング会社も安心できます。

8.信頼される経営と対応を心掛ける

利用者の信頼性も審査に影響します。

誠実な経営と丁寧な対応を心掛け、ファクタリング会社からの信頼を得るようにしましょう。

ファクタリング審査の基本的な流れと必要書類

審査をスムーズに進めるためには、事前に必要な書類や手順を把握しておくことが重要です。

事前に準備すべき書類

一般的に必要な書類は以下のとおりです。

  • 通帳のコピー(表紙含む、直近3ヶ月分)
  • 売掛債権に関する資料(請求書、契約書など)
  • 身分証明書
  • 印鑑証明書
  • 登記簿謄本(法人の場合)

ファクタリング会社によって必要書類は異なる場合があるので、事前に確認しましょう。

ファクタリング審査の一般的な流れ

  1. 電話やウェブサイトから申し込みを行う
  2. 必要書類を提出する
  3. 審査が行われる
  4. 審査通過後、契約内容に同意して契約を締結する

各ファクタリング会社で手順が異なる場合もあるので、詳細を確認しておきましょう。

“審査なし”を謳うファクタリングは要注意

“審査なし”と宣伝するファクタリング会社も存在しますが、利用は避けるべきです。

悪徳業者の可能性が高い

審査を行わないファクタリング会社は、回収リスクを考慮しておらず、高額な手数料を請求する可能性があります。

これは悪徳業者の手口であり、結果的に大きな損失を被る恐れがあります。

償還請求権ありの契約を結ばされるリスク

本来、ファクタリングは「償還請求権なし」の契約ですが、悪徳業者は「償還請求権あり」の契約を結ばせようとします。

この場合、取引先からの回収ができなかった際に、利用者が返済義務を負うことになります。

違法な融資行為となる可能性

償還請求権ありの契約は、法律上「融資」とみなされます。

貸金業の登録がない業者が融資を行うことは違法であり、そのような業者との取引は避けるべきです。

まとめ

ファクタリングを利用する際には、審査に通過する必要があります。

審査で重視されるポイントや審査に落ちる理由を理解しておくことで、スムーズな資金調達が可能になります。

また、“審査なし”を謳うファクタリング会社は悪徳業者の可能性が高いため、利用しないように注意しましょう。

今回ご紹介した内容を参考に、適切なファクタリング利用を心掛けてください。

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